捧げ物
太陽と月
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「渋谷ー!!」








名を呼ばれて振り返る。



振り返らなくても、声の主は誰かなんてことはすぐに分かる。








「おう、村田」



「偶然だね…!!」








少し息があがっていた。



おれを見つけて走って来たのだろう。








「渋谷がこんなところにいるなんて珍しいね」



「そうか?」








"こんなところ"とはお馴染みの噴水がある公園だ。



おれは自販機で飲み物を買い、飲んでいたところだった。








「あーっ 良いなぁ〜」



「飲みたいなら自分で買って下さーい」



「ケチィ〜!!」








ブーブー文句を良いながらも村田は財布を出した。



自販機の前に立ち小銭を入れるとボタンを押した。








「村田、お前は?」



「ん?」



「なんかの用があったのか?」



「あぁ…、塾の帰りだよ」








出て来たジュースを片手に持ち、こちらに来た。



もう片方の手には、参考書等が入っているだろう鞄が持たれていた。








「へぇ〜…、大変なんだな 学校が休みの日も勉強なんて」



「まぁね、…あそこのベンチに座らない?」



「あぁ」








おれたちは噴水の近くに設置してあるベンチに座った。
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