あれから僕も倒れてしまったのだろう、気づいたときには病院のベッドに寝せられていた。 身体が重くて起き上がれない。 ぼやけた視界の中には白い壁と人らしき影。 そして、小さく話し声が聞こえた。 ……事故。 そう確かに聞こえた。 さっきの光景がフラッシュバックのように斬新に蘇える。 僕は怖くてたまらなかった。 息が苦しくなり、身体が熱くなった。 目の奥が熱くなり、涙腺が緩む。 僕の様子に気づいた人が僕に声をかけた。 さっき話していたのは医者だったのか。僕は飛びつくように医者に聞いた。 何があったのか? 誠二は無事なのか? 誠二は今何をしているのか? 自分と同じようにこの病院のどこかにいるのか? 僕は立ち上がろうとした。 足を曲げ、ベッドの下に下ろし、床に足をつけ、体重をかける。 しかし、僕の足に力が入らずそのまま倒れた。 身体を動かそうとしても動かない。 「もう少し休んだほうが良い。力が入らないだろう?」 子供に言い聞かせるように医者が言う。 僕の息遣いは荒く、涙が止まらなかった。 注射を打たれると、身体は徐々に軽くなり、視界が暗くなった。 ……ここは? 僕はどこかに立っていた。 周りを見回すと、そこはあの商店街だった。 雨の降る音が聞こえる。 「悠? 何やってるんだ?」 隣にいる誠二が聞いた。 「……いや。行こうか。」 さっきの事故は夢だったのか? それとも幻だったのか? そんなことはどうでもいいじゃないか、今誠二は僕の隣にいる。 僕は心から安心した。 「渡ろうか。」 僕は誠二の声で我にかえり、顔を上げた。 目の前にはあの事故があった横断歩道があった。 誠二が走り出した。 僕は急いで彼の背中を追う。 しかし、何故か距離は広がっていく。 車のスリップする音が聞こえた。 ガラスの割れる音・・・・・・。 僕の手にべっとりと血が付いていた。 ……嘘だろ。嘘だろ!? 僕は目が覚めた。 ……夢? 「大丈夫かい? 大分、魘されていたよ。」 心配そうに医者が聞く。 汗で服が身体に張り付いている。 部屋にかけてある時計を見た。 「……誠二に会わせてください。」 医者は首を振り、僕から目を逸らした。 「誠二は大丈夫なんですか?」 僕は怯えながら聞いた。 「今はまだ何とも言えない。」 「誠二は今、どうしているんですか!」 僕は大声を出していた。 「教えてください。お願いします。」 医者は躊躇しながらに口を開いた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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