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名も知らぬ君へ−最後の刻 哀・レクイエム− ※グロ警告
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「ぅ‥く‥ぁあぁ‥‥」
コプッと開いた傷口から赤い液体がほとばしる。

内側から見えた断肉はグチャグチャと音をたてて心臓の鼓動を感じとっている。
赤く小さな血管が肌に露出し、
ドクドクと音をたて赤いものを噴き出していた。
その生足の血管が
まとめてプチッと切られる度に、
金切り声と鉄の香りが広がり、辺りを暗く染めた。
頭上に無数に止まる血に飢えたコウモリ達は、今か今かとその時を待つ。
そして朱色が身体をおおうたびに 暗黒の翼で滑走し、悪魔のように噛み付いた。


そんな様子を見て、ニタリと笑う者。

その長い闇色の髪は深紅に塗られ、
暗闇に紛れた目は薄く輝いた。

手首には輪になって千切れた鎖がジャラリと音を立て、
右の手の中には、
肉片と血液で真っ赤な 銀に光る斧‥‥。

そう、彼女は
脱獄者だった。



目の前に積もった、数々の人間。
それはもう、人とも言えない姿だった。

朱く乾いた流血の中に転がる首、

くり抜かれた目玉、

ブッスリと刺され、そのままになった

まだ新しい
赤紫の ‥‥脳。


その脳はぬめり光り、指でそっと撫でると、生暖かい血と透明な液が、
指にべとっ、と纏わり付く。

彼女は「チッ」と舌打ちすると、
ジャラ‥、と鳴る足の鎖と共に、元警官だったその塊を、
思い切り踏み付けた。

ブチュッ!という生々しい音と同時に、飛び散る脳漿。

脳内の朱肉が欠片となり
真新しい血液と一緒に、あちこちに散った。

床や壁につくそれらは、ツーっと一筋の糸を描いて落下し、

最後の生き残りの警官についたそれも、彼の口元を滑って宙を踊り落ちていった。



「‥ふぅ。」

彼女は液と朱液で汚れた左足を見て、暗いため息をつく。


ここは最下層の牢獄。
ガードしていた警官達は全て彼女の手によって罰を与えられ、
紅い血の海で眠りについている。

最後の一人に残った、この警官だけが、
まるで玩具(おもちゃ)のように、
少しずつ、少しずつ、痛みつけられ、
唯一意識を保っている。

時折感じる激痛の中で、叫ぶ言葉を聞く者は もう‥いない。

誰の助けも無いと知った今、
彼女に早く殺してほしいと 彼は強く願っていた。


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